★家系図作成専門~1000年たどる家系調査 戸籍を超えて200~1000年さかのぼる

自分でやる?業者に頼む?

さて。「家系図が欲しい!!」と、思ったとき。 自分で作るべきか、家系図作成業者に頼むべきか、についてです。

■率直にいうと頼んだ方がいいと思う。

え~と。うちも業者ですから。頼んでもらえた方が儲かる・・・ってのはもちろんなんですが、それをまったく考えないで客観的に言います。

やっぱり業者(戸籍調査に知識のある専門家)に頼んだ方がいいと思います。

【戸籍による家系調査を自分でやるのは難しいのか?】

難しいといえば難しいし簡単と言えば簡単です。

その人のご先祖様の足取りによっても変わってきます。

※戸籍を取る過程 (父方一系統の例)

まずは自分の戸籍(戸籍謄本)を取る。
 ↓
自分の戸籍から父の戸籍がある役所を調べ父の戸籍を請求
 ↓
父の戸籍から祖父の戸籍のある役所を調べ祖父の戸籍を請求

【戸籍による家系調査が簡単なケース・難しいケース】

戸籍をたどる難易度が決まるケースは大まかに2つあります。

1つ目は、慣れないと難しい字が出てきて読めない、または古い戸籍の読み方がわからず次の請求先を見落とす、見落とし見間違えで請求先を1つ飛ばしてしまうことがあるため、ある程度昔の字の読み方や古い戸籍の読み取り方の知識が必要ということです。

もう1つはご先祖様の足取りによるものです。

ずっと古くから何代も同じ地に住んでいらっしゃった場合は、 1つの役場への請求で一気に全ての戸籍が取得できてしまう場合もあります。

逆に、ご先祖様が各地を転々としていてその足取りを追う場合は戸籍から請求先を読み取る回数も増えるため、その分手間隙が増します。

【自分で取るのは楽しい】

ただ、自分でご先祖様の足跡をたどっていく作業はとても感慨深いものです。

私自身、知的好奇心が満たされるわくわくする思いを味わいながら自分の戸籍を自分でたどっていきました。

本格的にこの仕事を始めようと思い、まずは自分の戸籍を取ってみたのですが、古い時代の戸籍を請求(郵送で請求したのですが)したときほど毎日楽しみに戸籍が届くのを待ちわびていました。

【自分で取るのは危険な面もある。取得漏れ・役所の手違い】

今、仕事としていろんな方々の戸籍を取り、戸籍に対する知識を持ち戸籍法を理解した状態で、以前たどっていった自分の戸籍を見てみると取得漏れだらけなんですね。

【一番怖いケース。役所の手違い】 役所の手違いにより取得できるはずの戸籍が取得できない場合があります。 役所の方も人間です。残念ながらこれは少くありません。 どのくらいの確率で手違いがおきるか? 10名の方から依頼を受けると4~5名分は何らかの手違いにより必要な戸籍が送られてきません。 ・単純な見落とし 通常にたどれる場合、よほど複雑な家系でない限りは、除籍簿を見落として送られてこないことはまずありません(過去2 件ほどありましたが、1割の半分に満たないくらいの割合ですのでこれは本当に単純ミスによる事故です)ただし、戸籍法が改正されたときの原戸籍などは4~5割程度の確率で見落としがあり、送られてこないです。 また、古い時代だと養子や婿養子に出ていたり、兄弟や子供の戸籍に入っていて、本人や本人の父親以外の戸籍に入っていた時期がある場合があるのですが、これは7~8割の確率で送られてきません。 戸籍を隅々まで読み取らないと判明しない場合が有るのでこれを厳密に役所の手違いというのは手厳しいかとも思うのですが、再度請求すれば取得できるはずの戸籍が最初の請求で送られてこない確率が高いのは事実です。 ・戸籍法の解釈の誤り これは私が行政書士業務として戸籍の取得を行っているのでちょくちょくあることですから、みなさんが個人として請求する場合にはほとんど関係ないと思いますがご参考に。 良くあるのは、戸籍の請求できる範囲についての解釈の誤りです。 家系図作成を目的としてご先祖様や親族の戸籍を請求できるのはご自分から見て直系に限ります。傍系の方の戸籍を請求することは出来ません。 これを「家系図作成を目的とした戸籍の請求は一切出来ません」と、役所の戸籍係りの方に直系に当たる方の正当な請求も退けられてしまうことがまれにあります。 また、部落問題を抱える地域では戸籍の取り扱いにも神経質になっており、正当な直系の請求でもなかなかすんなり出してくれない事もままあります。 少々話がそれますが、個人情報保護の気風が高まる今、役所が戸籍の発行に慎重になるのは正しいことだと思っております。 私は業務として戸籍の請求を行っているので、すんなりと出していただいた方が助かるのが正直なところですが・・・、役所がなかなか発行してくれない場合は、ご依頼人様からいただいた委任状を見せ、取得したい先祖様にいたる戸籍全てを戸籍係の方にお見せして正当な請求であることをご理解いただいた上で発行していただくようにしております。 小話 ~役所にて~ 通常は戸籍の請求は郵送でのやり取りで行っているのですが、札幌市内のご依頼だと近くの役所に直接行くこともあります。 職員さんと直接やり取りして思うのですが、家系図作成を目的とした戸籍の請求はそんなにしょっちゅうあるものではないので、古い戸籍までさかのぼって請求すると、戸籍の読み方に慣れていない職員さんは戸惑ってしまうこともあります。 保管されている戸籍を全て出していただくようにお願いするのですが、戸籍の隅々まで読まないと保管してあるはずの全ての戸籍が判明しない場合もあります。 一度出してもらって、よくよくその場で読んでみると、まだ保管されてるはずの戸籍があるので、改めて窓口に請求に行く、ということがよくあります(これは、本当に戸籍を隅々まで読まないとわからない部分があるので、欲しい戸籍が一度の請求で出てこないのは一概に役所の責任と言えない面もあります。また、書面で請求するのですが、書面の記載内容に限界があるのでこちらが欲しい戸籍の範囲をうまく伝えられていない場合もあります)。 最近ではややこしい請求をする人だと顔が割れてしまい、会計前に呼び出していただいて「これとこれとこの戸籍でいいですか?」と確認されるようになりました。いつもお手数をおかけしております。m(_ _)m 役所の手違いによる取得漏れは致命的です。 ある程度戸籍に関する知識や戸籍法への理解、戸籍法改正の歴史や背景に精通していなければ、 手違いにより取得できなかった戸籍に気づくことができない可能性が非常に高いです。 《例》まだ取れる戸籍がある ~戸籍は隅々まで読もう~ 例えばある役所に「直系に当たるご先祖様全ての戸籍が欲しい」と請求すると、ご先祖様代々その地に本籍地がありドサッと戸籍が届くことがあります。 「役所が出してくれたのならこれ以上はないんだな」と、思ってしまってはいけません。 戸籍の隅々まで読み取ると などなどで、まだまだ取れる戸籍があることがしょっちゅうあります。 よっぽど戸籍を読み慣れないと、なかなか気づくことができません。 取得漏れがあったために、判明するはずの親族が判明しない、判明するはずのご先祖様の没年が判明しないで終わってしまうのは大変に残念なことです。 ですから私は、ご自分で戸籍を取得されて筆耕・表装のみをご依頼いただく場合にも、差し支えなければ取得した戸籍を全て見せていただくようお願いしております。 たいていの場合はどこかここか取得漏れがあるので、全ての戸籍を請求してから筆耕表装に進まれるようお勧めしております。 《例》知らなかった兄弟が判明~戸籍を全部取らないと判明しない事も~ 母の友人のだんな様から家系図の筆耕と表装の依頼を受けました。私の家に遊びに来たときにサンプルの巻物を見て、欲しくなったそうです。 家系図作成は既に始めていたそうで、戸籍は自分で取得して家系図も作ってありました。親しい方(お子様が私と幼馴染の同級生)だったので筆耕に入る前にお宅にお邪魔して戸籍を見せていただきました。 旦那様と奥様の二系統の家系図をご希望だったのですが、奥様の家系の戸籍を見ると、どうやらもう1つ原戸籍が取得できる可能性がありそうでした。 その旨伝えて、請求してみると、嬉しいことに取得することができました。 それにより、奥様のお父様のご兄弟が新たに2人判明いたしました。 お父様の下にお2人ご兄弟がいたようです。この2人のご兄弟は幼くして亡くなっており、奥様もお父様もこの2人のご兄弟がいたことをご存知なかったそうです。 お父様の幼いころに亡くなっている様で、おそらくご両親様から下に兄弟がいたことを伝えられていなかったのでは、と思います。 お父様はよく「自分は末っ子なんだ」と仰っていたようで、奥様もまさかお父様に下のご兄弟がいるとは思っていなかったようで、今まで知らなかった親族が判明したことに大変喜んでおりました。 ※プライバシーについて 例えば上記の例。知らなかったご親族が判明した件ですが、喜んでいただけて良かった、という反面複雑な思いもあります。 知らなかったご親族がいらっしゃったのにはそれなりの理由があったはずです。 上記の例だと、幼いころに下のご兄弟が亡くなられたことを、子供の心情を思ってご両親が隠されていたのかもしれません。 結果的に家系調査によってそれをあばいてしまったことになります・・・。 《例》「この馬鹿親父が~(笑)」」            ~戸籍と事実 (親族から聞いていた話)が食い違う~ タウンページで当センターを見つけてくれたご近所の方からのご依頼でした。 家系調査を終了して、ご報告にお宅にお邪魔したのですが、調査結果と親族から聞いていた話が全く違うんですね。 特にお祖父様に当たる方が、各地を転々として結婚再婚を繰り返していたことに驚かれていました。 ご依頼人様は「この馬鹿親父がぁ~(笑)」と、怒ったようで、でも楽しそうにしておりました。 これは、半分笑い話にもできることですが、やっぱり家系調査は慎重に行わなければなと、再確認した出来事でした。 昔は、役所への届出が今より多少大雑把だったようで、事実と戸籍の記載が違っていることもあります。 ※例えば、未婚の娘さんのお子様を、両親の子として届けるなどもあったようです。※正確な生年が記載されないことなども珍しくはないです。  例えば、山を越えなければ役所にいけなかったため、転籍など他の届出のつい  でに出生届をしたためなど。 戸籍が事実なのか、伝え聞いた話が事実なのかは、わからない面もあります。 ですが、 ・お亡くなりになられた母親に前夫がいた。 ・兄妹間にお子様がいた。 ・祖母が祖父の兄弟との間にお子様を儲けていた などなど。 今まで聞いたことがなかった事実を知るのも家系調査の醍醐味のひとつですが、反面、ご先祖様が知られたくなかったかもしれない非常にプライバシーに関わる記載が出てくることもあります。 ・「そういうこともありえますよ」と事前に伝え、家系調査を行うか自体をご親族とも  よく相談してもらう。 ・ご依頼人様のみに調査結果を伝える(ご依頼人様のご両親など、近い親族で  も間接的に報告しない)。 当センターとしては、最大限配慮しなければならないと、改めて思います。 《例》実は6代まで判明していた ~古い戸籍は読みにくい~ インターネットからのご依頼でした。 戸籍は既に取得されていて、筆耕と表装のみのご依頼だったのですが、「5代上まで判明してるが戸籍の読み方が良くわからないところがある」とのことでしたので、戸籍を送っていただいてこちらで読み取ってみました。 隅々まで読み込んでみると5代ではなく6代上のご先祖様まで記載されていました。 その旨お電話でお伝えすると「そうなんだ。(少しでも多くさかのぼれて)良かった~」と心から喜んでいらっしゃいました。 数々の依頼をこなしてきて言えるのは 「この調査は簡単だったな。 これだったらご依頼いただかなくてもそんなに手間隙かからず自分で取ってもらっても良かったかもな」 って思う時と、 「これは、ご依頼いただいてよかった。自分で遺漏無く取るのはちょっと難しかったんじゃないかな」 と思うときがあります。 後者が 7割くらいです。 特に北海道の方の依頼はずっと古くから同じ地にお住まいだった方が少なく、東北から移住してきて海沿いの地域に住み、札幌や近郊へ移住してきたというようなケースが多く、 一箇所への請求でまとめて戸籍が取れることが少ない分戸籍の読み取りに手間隙がかかることが多いです。 ですから、最初の結論、客観的に見て、出来れば専門家に頼んだ方がいいんじゃないかなと思います。 ただ、ご先祖様をたどる作業は本当に楽しいです。 あまりその楽しみを奪いたくないなぁとも思うのでなんといっていいやら複雑です。 結論です。 本当は本当は私じゃなくてもいいから誰か信頼できる専門家に頼んだ方が確実です。 ただ単純に確実に迅速に家系図が欲しいという場合はえいやっと専門家にお任せ下さい。 でも、自分でご先祖様をたどるのは楽しいです。・・・が、結構難しい場合もあります。 何度も何度も戸籍を見直ししてください。出来れば誰か詳しい人に確認してもらってください。 残念ですが役所の手違いで送られてこない場合も有ります。 ?と思うことがあったら取得した役所に確認してください。 可能であれば複数の職員さんや別の役所の職員さんに確認してもらってください。 おまけ ~古い戸籍の文字は読みにくい 古い戸籍の文字は、ものすごい達筆だったり、字が潰れていたり、個性的な字だったりで、読み取るのが大変です。 特に変体仮名などの昔の字が使われていると、気合だけでは読み取れないです。 最近でこそ慣れてきて、たいていの文字は不思議とすんなり読めるようにはなったのですが、 どうしても読めない字は、角川書店の書道辞典(6000円くらい)などで調べています。